第13話-① 「クリに関するエピソード」

初夏だけど秋のお話し=クリのおもしろQ~

クリはブナ科のクリ属で落葉樹です。
梅雨の時期に花を咲かせ、雄花は出だ先に房のようにこんもり茂り、芳香な匂いを醸し出します。最近では、わざわざ山間に行かなくても道路際にたわわに花を咲かせている光景を目にします。

栗は、海中のウニ同様トゲで覆われています。ウニのトゲは防御のほかに体の機関として移動したり触覚になったりしますが、栗は何故あんなに長いひげ、いやトゲで囲まれているのでしょうか?

「動物に食べられないよう自分の身を守る!」 意見としては当然少なくないのですが、基本的に栗の実は四つに割れて実を落としてしまうので、トゲで動物から実を守るのは、あまり役には立っていない感じがします。 むしろ、虫の攻撃を防ぐためにではないかとの説が有力です。

クリの実の中にゾウムシの一種のクリシギゾウムシの幼虫がおり、このゾウムシのメスは栗の実がまだ緑色の時、トゲと実の皮に穴を開け卵を産み付けます。

卵はクリの実の中で孵って成長していくので、トゲがあったとしても外からの虫の攻撃を防ぐためとも言えないのですが、少しでも子孫繁栄のことを考えると、動物ではなく虫の攻撃を防ぐ説が妥当だと思います。

今から5000年以上前の縄文時代の集落遺跡では、貝がら以外に栗の花粉の化石が出土されています。ということは、縄文時代にはすでにクリの木が食用として生育されていたことが示されています。

「大きな栗の木の下で~あなたとわたし~仲良く遊びましょ~」という歌詞の部分があります。縄文時代「作物は女神の死体から生まれるもの」という風習があり、女神に型どられた土偶を破壊し栗の木の下に埋め、豊作を祈願したと言われ、栗の木と土偶の因果関係が明らかになりました。

栗の木の下に埋める→栗の木の下で遊ぶ
時代背景を背負って栗の木は育ってきました。

興味深いのは食用として、栗以外に、クルミやドングリもカロリーが高く、当時の人々は食材として欠かせなかったようです。

少し脱線しますが、クリとドングリの違いはご存知でしょうか?栗は秋になると木から落ちてきて、イガイガの中に美味しい実が入っており、焼いたり蒸したりして食べるもの。 ドングリは同じように、秋になると木から落ちてくるが、基本食べられない。大抵は、このような説明が一般的です。

ただ、この説明は現代人の解釈であって、縄文時代には確かに、二種類とも保存食としても大切なタンパク源であったことは証明されています。

動物の世界においては、クリもドングリも同じ食べ物。むしろリスはドングリを好んで食べますよね。時代により人間の食文化は変化していきますが、動物の食文化は不変?

話は変わり、栗の木は非常に堅く水をはじきます。そのため明治から昭和初期にかけて線路の枕木や造船の材料に使われました。しかしながらあまりに堅いため、製材所の職人は栗の木を製剤することを嫌がる人が多かったようです。

何故かというと、製材するための帯鋸(おびのこ)が栗の木が堅すぎて、刃こぼれしてしまうからです。 製材泣かせのクリの木。いつしか線路の枕木として活用されていた木材は、材種を問わず防腐加工された木材から、コンクリートへと変化していきました。