第17話-① 「伽羅に関するエピソード」

「伽羅」=キャラで親しまれています。

「沈香(じんこう)」と呼ばれる「香木(こうぼく)」の一種です。沈香は香りの種類、産地などから、いくつかの種類に分類されます。その中で特に質の良い最高級品「伽羅」 (キャラと呼ばれています)

沈香 ⇒ 東南アジア各地で産出されます。
伽羅 ⇒ ベトナムの限られた地域でしか採取できません。

熱帯産のジンチョウゲ科の樹木が何らかの理由で土中に埋もれ、樹脂が浸出し、香木となったものです。日本でも、土中から産出された樹木に関していえば「神代杉」や「神代ヒバ」と呼ばれ、重宝されています。

「伽羅」は江戸時代には腹痛を治し、精を増す薬として利用されました。普通の沈香の含油率は多くても4割といわれますが、伽羅は5割を超えるそうです。沈香の樹脂は乾燥しているのに対し、伽羅の樹脂は独特の粘りがあることから、伽羅を算出する沈香樹は品種が微妙に異なるとも言われています。

さて、前述したとおり伽羅の産地はベトナムで間違いありませんが、地域はベトナム中部から南部の一部の地域のみです。その中でもベトナム産「緑油伽羅」「黒伽羅」「紫伽羅」と呼ばれるものが超貴重で最高級。そのため、産地がインドネシア産、マレーシア産、タイ産、カンボシア産と書かれえている伽羅は存在しないと解釈したほうが正しいです。

東大寺正倉院に保管されている「蘭奢待(らんじゃたい)」はその最高作品! ただし、宮内庁が調査した成分分析では、ラオス産の沈香である可能性が高いと言われています。

伽羅は元々香気のない原木ですが、土中に埋もれ長い年月が経つうちに、炭化され黒く香り豊かな沈香となります。これだけ貴重な品なので、最近では伐採の過剰、沈香生育菌の変化、木の質の変化などで最上級の入手は困難となっているようです。

伽羅はまさに「樹木のダイヤ」「土中の真珠」。源氏物語でも取り上げられるほどで、人格に揶揄すると「樹格の王様」。古財びとのメルマガでも「古材の中の古財」。最高クラスは1グラムあたり、なんと数万円。

五感で言うなら「嗅覚」ですよね。「甘党」ならともかく、香りでこれだけの値打ち。凄いことです。
アジアの至宝 ⇒ 「伽羅」「麝香(じゃこう)」。香は高にして口にあらず。
「伽羅」については、これ以上口外しない方が良さそうですね。