第21話-② 「カエデに関するエピソード」

本文では、カエデ=楓で表示していますが、槭(ふう)とも書きます。

槭はシュク(漢名)として活用しますが、漢文の元である中国の詩文などでは、あまり用いられておらず、いつしか楓が主表記となりました。

前述で、カエデ=カエルの手に似ているからと説明しましたが、歴史上伏クは万葉集に語源が歌われています。「わが屋戸(やど)に 黄変蛙手(もみつかへるで)見るごとに 妹を懸けつつ 恋びぬ日は無し」(大伴田村大嬢)
黄変蛙手(もみつかへるで)=葉の様子がまるで蛙の手のようだ。という解釈です。

中国の詩文では「楓橋夜泊(ふうきょうやはく)」の中で「江楓漁火對愁眠」=夜になり、漁火と楓の赤が素晴らしく、寝付けない。 とあります。

カエデやモミジについては、日本人ならではの視点から、観賞用として秋の風物詩の代表になっていますが、西欧では樹木として建築材や家具材的に活用されます。なんと、かの有名なッバイオリンの名器「ストラディヴァリウス」に勝代されています。また、薬用植物としても効果があり、湿布薬の役割として虫刺されや冷却作用に用いられました。

紅葉(もみじ)の歌
秋の夕陽に 照る山紅葉
濃いも薄井も 数ある中に
松をいろどる 楓(かえで)や蔦(つた)は
山のふもとの 裾模様(すそもよう)

渓(たに)の流れに 散り浮く紅葉
波にゆられて はなれて寄って
赤や黄色の 色さまざまに
水の上にも 織る錦(にしき)

里山の風景ですね。「日本人に生まれて良かった~」と思うのは、私だけでしょうか?