最近では大きなものは部屋のインテリア。小さいものはアクアリユムや小動物の飼育にも利用されている流木。

流木の姿、形から市場では高値で販売されているようです。今回は人間が価値観を見出した「流木(りゅうぼく)」のお話です。

流木は漂着物の一種です。50代のロマンチストなら記憶にあるはず。数十年前に上映されたことのあるアメリカ映画で、ガラスの小瓶の中に入っていた手紙がきっかけで、男女が知り合い恋に落ちる内容だったでしょうか。

遠い異国の地から漂着したものは、ガラス瓶にせよ流木にせよ、夢を膨らませてくれる情緒豊かな漂流物です。

流木

ついつい、筏を漕いで遥か彼方の地平線を目指したくなるのは、だれしも一度は夢見る光景かと思います。漂流物の中でも流木は以下のようなモノでしょうか。

①同じ国の沿岸線沿いで、山間部で発生した土砂災害による倒木などが河口に流れ込み、海岸に漂着。

②川底に堆積していた河畔林が洪水により洗い流されて流木が漂着。

唯一、他国からの連想となる
③航行中の貨物船から流出した木材の漂着。

プカプカ浮かびながら海水に荒らされ、他の漂着物に揉まれながらやっとたどり着いたわけだから、樹皮も剥がれツヤツヤ状態が多いと思われます。

ペットショップなどに行くと、単なる流木に過ぎないのに数千円で売られており、それなら自分で探しに行く人も多いのではないでしょうか?「流木マニア」「流木女子」はまだ流行語にはなっていませんが、いずれウケ狙いで熱帯魚など販売している業者が宣伝するかもしれませんね。
あくまで既製品ではないため、人の価値観に左右されるインテリア商品としての利用価値でう。では、拾いに行った際に見つけた流木の利用方法と対処法を考えてみましょう。

利用方法
①流木を水槽に入れると、見た目が幾何学的で三次元効果があることから、視覚的にも飽きがこないし、お魚の格好の隠れ家にも最適です。

②流木を水槽ではなく、鳥かごに入れて小鳥の住み家にマッチングさせると、如何にも自然の中で生き生きした場として表現できます。

③最近流行している爬虫類用の大型鑑賞用カゴに入れると、熱帯林の中を彷徨い歩く冒険者のような気分に浸れます。

注意点
①水槽に入れる場合、海に落ちている流木のなかには、塩素が含まれています。あく抜きしても、なかなか取り除くことができないため、水槽に入れる流木だとしたら、海で拾ったものは利用せず、河口やダムの流木を利用しましょう。

②流木は長い間水に浸かっていたため、白い水カビが付着しているケースがあります。そんな時は、ブラッシングして取り除きましょう。

③天候が良いから流木を拾いに行くわけですが、流木自体は含水率が非常に高く、見た目乾いているようで、内部は湿っていて腐っていることがあります。水に入れると、腐っているところから菌が繁殖しやすくなるので要注意です。

対処法
流木から出るアクは、腐植酸と呼ばれるもので、タンニンやフミン酸が多く、水質を酸性にしてしまいます。この対処法には諸説ありますが、簡単な作業で出来るお薦めの方法をご紹介します。

●流木を沸騰したお湯に入れ、アク抜きをしたあとに乾燥させる。要するに殺菌処理です。

以上、観賞用としての小鳥や熱帯魚、小動物に適した流木の利用方法でしたが、あくまでも主役は生き物達で、人間ではありません。インテリアに凝り過ぎて、生き物が生活しにくい環境にならないよう、十分に配慮することが大切です。