マンチニールって、な~に?
簡単に言うと「猛毒を持っている樹木」です。

このマンチニール
ギネスブックでは「最も危険な木」と記載されています。

えっ、どこがそんなに危険なの?
「どこが?→すべて!」
そうなんです、果実だけではなく、すべての部位が猛毒なのです!

果実(赤いりんごではなく黄色緑)を食べると口元がただれ、内臓の機能は弱まり、やがては、命を失う危険性も。
樹脂と葉に触るだけでも、失明したり、皮膚はむくんで腫れてきます。

化学的には、含有されている毒の中でも高いとされるのが「ホルボール」
本来は、細胞の成長や代謝に欠かせない役割を果たしてますが、過剰に働く作用なため、細胞を破壊させる遺伝子を増殖させてしまいます。
マンチニールの全ての部位に「ホルボール」が含まれているんです。

マンチニールは、主にフロリダ、カリブ海、バハマ等、熱帯地方に生息します。
カリブの先住民は、マンチニールの樹液を矢先に塗り、毒矢として使用していました。
探検家であったコロンブスは、「毒りんご」「死のリンゴ」と表現しているほどです。

「見ざる、聞かざる、言わざる」ではなく「食べざる、触ざる、近寄るな」
何故「近寄るな」なの?それは・・・

熱帯地方は雨が多く降り、傘を持っていない観光客が、マンチニールの樹木の下で雨宿りしました。
やがて雨は葉を伝わり、毒液を含み、観光客の皮膚に滴り落ちます。
また天気が回復すると、雨に含まれたホルボールは蒸発し、その空気を吸い込みます。
どうです?推理小説に出てくる「完全犯罪」を描きたくなりませんか?

自然の驚異「マンチニール」
しかしながら、アメリカのフロリダ州では「絶滅危惧種」として、リストアップされています。