さて、せっかくの機会でもあるので「火焔」にちなんだ「脱線エピソード」をご紹介!表紙に描かれている山の風景、どこにあって?どんな山か?ご存じでしょうか?

中国の新疆ウイグル自治区・天山山脈付近に実在する「火焔山」です。
タクラマカン砂漠タリム盆地の北部、トルファン市東部に位置してます。
平均の標高は500メートルあり、比較的平らな山頂部分では、長さ98キロメートル、幅9キロメートルにわたって横たわっています。
砂岩が侵食してできた地肌には、炎を思わせる模様があり、何と夏の気温が摂氏50度を超えることもある、正真正銘の火の山➡「火焔山」

火焔山

この地を舞台に描かれた物語が、中国史上有名な「西遊記」でした。
唐の時代、中国からインドへ渡り仏教の経典を持ち帰った玄奘三蔵の波乱の旅を記した地誌『大唐西域記』を基に、天界・仙界・地界が入り乱れた物語です。
物語では、玄奘三蔵の波乱の人生を、一緒にお供する仙猿・孫悟空の活躍を主に置き、玄奘三蔵一行が天竺までを目指す旅の様子が描かれています。
さて、物語にある「火焔山」では、火焔山に住んでいる妖怪が周辺で悪さをしていました。聞けば妖怪は昔、孫悟空と義兄弟の契りを結んだ牛魔王と女房の羅刹女とか・・・   
一行は悪さをやめさせ、山の火を鎮めるため説得に行ったが、牛魔王は妖怪を裏切り、三蔵法師の弟子となった孫悟空のことを憎み、激しい戦いとなりました。
最後は孫悟空らの活躍により見事牛魔王を討ち果たし、羅刹女の持っていた芭蕉扇で火焔山の火を鎮め、玄奘三蔵一行は天竺に向かって旅立つのでした。