今回から連載することになりました「おもしろQ~」

皆さんは「溶岩」と聞くと、ハワイ諸島の例のようなドロドロ溢れ流れてくる溶岩をイメージしませんか。
あれは俗にいう「陸上溶岩」であって、実は水中でも溶岩が独特の形態で流れ出ることは意外に知られていません。
これは「水中溶岩」ひいては独特の形態をなすことから「枕状溶岩」と呼ばれています。
新潟県新潟市間瀬には、県の天然記念物に指定されている比高数メートルの枕状溶岩からなる錐体がみられる。まさしく「枕」の断面同士が隙間なく埋め尽くしている様子が見て取れます。

枕状溶岩

これに類似した枕状溶岩が、実は秋田県能代市のお膝元である八峰町でも認められ、泊川河口部一帯は同溶岩が限定的に分布しています。
八峰町は全域が「八峰白神ジオパーク」管内に属し、同ガイド員たちによって学術的価値がある地質体の解説がなされており、泊川河口部の枕状溶岩は通常、日本海から運ばれてきた海岸砂によって覆われることが多いこともあり、その例外となっています。
つまり謎に満ちた水中火山の産物なのです!

目下、北海道教育大学の相澤正隆博士らの手によって、その実体が少しずつ明らかにされつつあり、八峰町は約三千万年前の日本海創成前の火山体をはじめ、火山岩類が多産するが、前述の枕状溶岩も数百万年前の火山噴出物と言われているのみで、その正確な噴出年代や噴出物の地球化学的特徴は詳しく解析されていません。
今後の学術的成果が期待されます!