秋田古財ランドの舞台となっている能代市のお膝元の八峰町には、実に様々な火山岩類が産してます。
なかでも「素波里(すばり)安山岩」と呼ばれる970万年~370万年前の火山岩は、前回お伝えした枕状溶岩以外にも、見事な柱状節理が発達した溶岩として認められます。
八峰町八森の孤島「雄島」もそのひとつで、空撮写真からも堅固な溶岩からなることが分かります(撮影 秋田大学名誉教授、林信太郎氏)。
ほぼ対岸にある椿海岸の柱状節理群は秋田県の天然記念物に指定されています。溶岩流の内部における均質な熱対流・冷却の産物として柱状節理が発達したことが窺えます。
日本では福井県の東尋坊、兵庫県の玄武洞、佐賀県の七ツ釜などでも見事な柱状節理が認められます。
意外にも日本海側に多く見られる地質体ですが、いずれも2400万年~1500万年前の「日本海の拡大・形成」とは関連が無く、東尋坊は1000万年前、玄武洞は160万年前、七ツ釜は300万年前とそれぞれ多様な地質時代の産物です。
北海道教育大学の相澤正隆博士からご提供いただいたアイスランドでの柱状節理の写真も掲載します。このように世界中の火山国において柱状節理が見られ、地球内部の熱い脈動に触れることができます。