「バオバブ」はパンヤ科アダンソニア属の総称です。

20mを超す高さと風変わりな容貌から、知っている人も多いのでは。バオバブの木は現在10種類が確認されています。その10種類ですが

①マダガスカル→8種類
②オーストラリア北西部

この2か所でのみ自生しています。この樹木の特徴は、木自体がスポンジだということです。雨が降った際に、より多くの水分を蓄えるように、幹の内部がスポンジ状になっており、自重の約65%もの水分を蓄えることができるのです。含水率65%?ありえない数値です。

あだ名は「逆さまの木」根と幹を逆さまにしたような木。寿命は長くて約6000年と言われる長寿の樹木です。寿命がくると、自ら崩れ落ち風化し、跡形もなくなります。

アフリカでは「恵みの木」とも言われ、余すところが無い非常に価値のある樹木です。
①果実→甘酸っぱい味ですが、水に溶かし飲料水に利用
②果実を覆っている殻→生活用品の中で、容器として利用
③種子→醗酵させて食料品として保存
④種子の油→石鹸の代用
⑤新芽→副食としての野菜
⑥幹→焚き木
⑦樹皮→屋根や壁材の材料や紐として利用
⑧樹液→接着剤の代用品
⑨根→水や牛乳と一緒にオートミールとして食用

その他、クスリとしての効能
①繊維→解熱剤
②葉→下痢止めや皮膚炎の炎症を抑える効果
③木の汁→目薬の代用

「バオバブの里親基金」とは
①現地育苗センターの整備、荒れ果てた森を元に戻すための苗木作りや植え込み
②森とその資源を守るための子どもたちへの教育
③地元住民の生活環境の改善
④自然観察ガイド養成と貴重な動植物の保護などに貢献する
バオバブの木はもともと森の中に生える木です。

放牧地の開発などで森が焼き払われたとき、火に強いバオバブの木は生き残り、草原にバオバブだけがそびえたつ景色となります。その景色は素晴らしく、感動的でさえあるのですが、このような草原では種子が稔っても若木が育つことはなくなり、老木が死に絶えると絶滅してしまう運命にあります。

マダガスカルで取り組んでいる活動は、失われゆく貴重な森と、そこに生きる動植物を森の恵みで生活する人たち自身の力で守ってゆくことを目指しています。